園長つうしん
~庄内こどもの杜幼稚園の見えない秘密(園庭にアヒルがいる意味)~
今回の見えない秘密は、「園庭にアヒルがいる意味」についてです。
「園庭にアヒルがいる意味」とは、あるクラスの保育室ではなく、園庭の中央にみんなのためのアヒルがなぜいるのか、です。
1学期最後の保育日に、急にアヒルが亡くなりました。
バタバタした中で急いでお別れをした中ではありますが、このアヒルの死は、子どもだけではなく、教職員、保護者にとって、やはりショッキングな出来事でした。
アヒルが亡くなった後、保護者からこんなお声をいただきました。
「アヒルが亡くなったんですね。こんな生き物にふれ合う経験は、うちの子どもにとってとても良かったと思っています。そんな経験が失われてしまうのは、とても寂しいですね」
「アヒルが亡くなったのは、私自身とても悲しすぎます。もっと長生きできる環境がなかったのでしょうか」
あるクラスで生き物が亡くなるのと違い、みんなの目につく園庭の真ん中に、当たり前のようにいた生き物がいなくなることは、とても影響度が大きいと実感させられました。
やはりこのアヒルは、アヒルに餌をあげるのが好きな子だけのものでもなく、お掃除当番 する子どもや教職員たちだけのものでもなく、子ども、教職員、保護者皆のものだったと亡くなったからこそ再認識できました。
これらの状況を踏まえ、私自身はやはり園みんなのための生き物は、いなければならないと思いました。
おそらく、子ども・保護者・教職員の中には、「また死んでしまうからもう飼わない方がいいんじゃないか」と思う人もいるかと思います。
このアヒルが、家族や一クラスだけの存在なら、その関係者だけで今後どうするかを決めていいかと思います。
しかし、あのアヒルは園全体の子ども・保護者・教職員の生き物でした。
生きている喜び、死んだ時の悲しみを分かち合えるみんなの生き物、という意識があったからこそ、今回の保護者の声があったのだと思います。
公益団体である学校法人の幼稚園は、在園児だけでなくこれからも継続的に新入園児やその保護者を受け入れ続ける施設です。
今後新たに入園した子どもや保護者、新たに採用する教職員たちにも、同じような感情を育んでもらうため、飼う使命があると、今回のアヒルに改めて気づかされました。
今後も学校法人としての使命を意識して実践していきたいと思います。
2025年10月1日