園長つうしん

~庄内こどもの杜幼稚園の見えない秘密(生活習慣を大切にする意味)~

 今回の見えない秘密は、「生活習慣を大切にする意味」についてです。

 「生活習慣」とは衣食住の自立のことで、衣服の着脱ができる、自分でご飯を食べられる、靴の着脱ができる、手を洗えるなどの行為です。

 生活習慣を身に付けるということは、自分で自分のことをするという、自己コントロールの獲得です。自己コントロールを獲得すると、自分ケアの時間が減り、外の活動に目を向け注力することができます。

 

 0歳児から入園した子どもにとっては、家庭より園での生活時間が多いので、生活習慣を園で獲得することが多くなります。その生活習慣を獲得した進級園児の姿が、新入園児にとっての生活習慣モデルとなっています。

 しかし1号で入園した子どもの中には、家庭で生活習慣を獲得している子どももいます。したがって、極端に言うと生活習慣は園でなくても獲得できるものです。

 ではなぜ、園ではこの「生活習慣を獲得する援助」に力を注いでいるかといいますと、単に「生活習慣を獲得」することだけが目的ではないからです。

以下のような、「生活習慣を獲得することを通して得るもの」に価値を置いています。

 

【安心感・安定を与える】

園生活が、毎日慌ただしい状況では、子どもの安心・安定はありません。

日々の緩やかな生活の流れの中で、おおむね決まった時間に、関係性のある先生と一緒にトイレに行く、食事をする、お昼寝をすることは、子どもに安心感・安定を与えます。

 

【愛着形成】

特に生活習慣を援助するときは、年齢が低くなるほど一対一や少人数で行います。

その場で先生が丁寧に生活習慣の仕方を伝えてあげるだけでなく、子どもの葛藤を受け止めてあげ、できた時に一緒に喜びあえます。

このように生活習慣の場面は、先生と愛着形成を培えるコミュニケーションの機会ととらえています。

 

【挑戦心を育み、達成感を味わう】

生活習慣には、子どもにとっては困難な動きや操作を必要とすることがあります。でも「自分でやってみる!」という挑戦心を大切にして、できた時の達成感を先生と一緒に喜びあいます。子どもの自己肯定感を高める、自信を獲得することとなります。

 

【保護者との会話のきっかけ】

生活習慣は、保護者と共に話し合える大きなテーマです。

「自分でトイレに行けましたよ」や、「ご家庭ではどんなふうに食べていますか」など、子どもの成長という同じ目的のため、共に考え、共に喜びあえる機会だと考えています。

 

このように、園では「生活習慣の援助は獲得することが目的ではない価値ある行為」と考えています。