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園長通信(R7年6月号)

園長つうしん

園長つぶやき~園関係者が「みんなのなかで、やりたいことをする人」に~

「キャラが重荷になる中高生」

子どもたちが園に馴染み活発になることに比例するように、日々の暑さを感じる日々となり、クラスでも気の合う友達がでてきた頃となってきました。

 

さて先日の親子交流会のご出席ありがとうございました。

親子交流会の目指す目的は「クラスの親子同士の関係を深める」です。

当園は、このように親子とも人間関係を深めることで、今の園生活だけでなく、卒園後の豊かな人生につながって欲しいと願っています。

 

現代の中高生の人間関係で「キャラ(キャラクター)が重荷になっている」ということがあるそうです。

キャラとは個性とは異なり、人間関係を円滑に回すため、仲良しグループ内で一人ひとりが担う性格的役割のことです。

「つっこまれキャラ」「しっかりものキャラ」「ふざけキャラ」みたいに、例えば吉本新喜劇の特色ある人物を演じるようなものです。

 

このキャラが生まれた背景は、社会構造の変化によるものとされています。

かつてクラス連絡網があった親子ともクラス同士の顔見知り関係が深かった時代から、個人情報保護やデジタル化による個人主義が進み、クラス帰属意識の希薄化が進みました。

そして子ども達の世界では「数人で構成されるグループ」が重要視されています。

このグループで摩擦を起こさず平穏にすごすため、本音をぶつけ合わず、筋書き通りの会話の落としどころを明確にすることに利用されるのがキャラです。

なんだか吉本新喜劇で展開が読めてしまうのと同じですね。

 

ただ今の子どもたちはグループを複数持っていることはあまりなく、特定のグループだけで生きていることが多く、そこからはみ出ることは孤独になることを意味します。

なので現状を維持するためのキャラを保つことはより重要性を増しています。

もちろんこのキャラが、自分自身の個性とマッチしたり、あるいはグループによってキャラを使い分けて適応できるのならば、その人にとっては悪いものではありません。

 

しかし逆にこのキャラに対してネガティブに作用することもあります。

それは、キャラの受け入れが本人にとって消極的であったり、キャラの性格が本心で受け入れることができず不適合を起こしたり、また「いじられキャラ」のようにいじめにつながるケースもあるようです。

こんな時には、親としては状況を子どもから聞き、「いやならNOを言いなさい」「その関係性はおかしい、いじめだから離れていい」「先生に相談しようか?」とアドバイスをする必要があります。(親の実力行使的介入はよくないです)

この子どもの将来に向けて、もっと今からできることがあります。

それが園の保育「自己発揮をしなさい、そして意見をぶつけ合って合意しなさい」です。

また親同士もよい関係性をもって、それを支えられる俯瞰的視野を持ちましょう、です。

今から大人としてできることは沢山ありますので、積極的な園参加をお願い致します。