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園長つうしん(令和4年5月号)

園長つうしん

~「みんなのなかで、やりたいことをする人に」に向かう園長つぶやき~

今年度の保育が始まり、子ども達のにぎやかな声が園内に満ち溢れています。

こんなコロナ禍でも、その声を聞くと制約を忘れられる瞬間です。

 

さて報道では、まだまだロシアとウクライナ紛争の話題が中心です。

最近私はその報道を見ながら、ロシア国内の世論について思うことがあります。

それは、プーチンの主張を強固なものにしているのはロシア国民の影響ではないか、ということです。

現在ロシア国民の80%が、プーチン体制の行為を肯定しているそうです。

もちろん反対できない言論弾圧や、報道統制をして海外の考えが入らないという部分も多いかと思います。

しかし結果としてプーチンと国民が「自分(達)は間違いない」「自分(達)はいいことをしている」という雰囲気を、互いが作り出しているようにも思います。

 

「エコーチェンバー現象」というネット用語があります。

これはネット社会で、閉じられたネット空間内で自分と似た価値観の主張ばかり見て、同質のやり取りが繰り返し肯定され、その主張があたかも世の中における正解であるかのごとく勘違いしてしまう現象です。

「これっておかしくない?」

「そうよねー私もそう思ったー」

「やっぱりみんなそうなんだー」

「じゃあみんなそうなんだから、正しいよね、間違ってないよねー」

ネット社会だけでなく、リアルの仲間内集団でもよく起こりがちです。

 

今年の4月1日から民法が改定され、成人年齢が18歳に引き下げられました。

高校3年生くらいから、クレジットカード、携帯電話、結婚、住宅の契約が、親の承諾なしでOKとなるんです。

コロナ禍でますます人間関係が閉じられ、自分とは違う意見が入りにくくなり、自分と違う意見に対して対応する力が弱くなっているように感じます。

 

私はこの「エコーチェンバー現象」が増えそうな風潮に危機感を持っています。

現象が増えると、様々な考えの中で自分なりの正しい答えを探す力が付きますか?

現象が増えると、自分(達)の意見が世間とズレた状態になっていませんか?

プーチンを見るたびに、同質の意見ばかりに囲まれる怖さを感じざるを得ません。

 

皆さんは、異なる意見に触れていますか? 異なる考えを受け入れる余地はありますか? 同質ばかりの意見は危険だと思いませんか? 一度考えてみてください。