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園長通信(令和4年10月号)

園長つうしん

~「みんなのなかで、やりたいことをする人に」に向かう園長つぶやき~

新型コロナ第7派も終息傾向になり、運動会も無事終えることができました。

次は秋祭りへと園の雰囲気もシフトしつつあります。

 

この9月は、通園バスに園児置き去り死という痛ましい事故がありました。

幼稚園・保育所団体では、当園のように通園バスを持つ園だけでなく、バスを持っていない園も、安全管理について話題にあがることが多くなりました。

 

今回の事故だけでなく、過去の死亡やそれに類する様々な重大事故の報告書が公開されています。

それらの重大事故の傾向を見ると、重大事故を起こした組織は共通の特徴があると提言する研究者もいます。

それは、重大事故を起こした組織は「日々のささいな問題を話し合わない組織」である、です。

 

些細な問題を話し合われないことは仕事だけでなく、家庭・地域でもあります。

家庭で、急な雨が降ったとき、家にいた人は誰も窓を閉めてくれなかった。

地域で、共有道路のゴミを誰も撤去しなかった。

「やってくれていると思っていた」

「自分はしなくてもよいと思っていた」

誰かが人知れず実行してくれていたことが、その誰が出来ない・実行しなくなった時に放置され、問題化します。

些細な失敗事例でも話し合える組織では、次の失敗が少なくなります。

話し合えない組織は、その失敗事例を繰り返すだけでなく、もっと大きな問題にもつながります。

先の失敗例では、せいぜい家庭の窓周りが濡れ、地域の共有道路が汚くなり、「あ~あ」というため息を出しながら、誰かが片付け終わる事例かもしれません。

しかし生命の危険が伴うとなれば、「あ〜あ」ではいきません。

 

「弱みを見せあえる組織が強い」

「風通しの良い組織は、個々のネガティブな感情を出し合える」

失敗やミスは、叱責される恐怖を避けるため、つい隠したくなる性質を持ちます。

だからこそ、当園ももう一度、通園バスの安全性だけでなく、些細な失敗事例を隠さず出し合える組織であるかどうかを確認したいと思います。

皆様のご家庭や地域も、失敗を出し合えるかどうか、一度考えてみてください。