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園長通信(令和5年6月号)

園長つうしん

園長つぶやき~園関係者が「みんなのなかで、やりたいことをする人」に~
全園児での午後保育する園生活に、子どもが慣れ始め、早い梅雨入りをしました。
園内はたそがれコンサートに向けた音楽や楽器の音が鳴り響いています。
そんな園内の楽しい活動のさ中、世間では長野県4人殺害の事件が発生 しました。
今回は、この事件の容疑者の是非ではなく、報道で一つの視点となっている「親のかかわり」について考えたいと思います。

先日私が参加した研修会で「過保護は自立の芽を育て、過干渉は自立の芽を摘む(佐々木正美)」という言葉で議論がありました。
望まぬ妊娠で子ども遺棄した女子大学生と、面会した専門家の事例についてです。
地元から離れた一人暮らしの女子大生ではあるが、何故望まぬ妊娠を家族に相談できなかったのかを聞いた時、家族の仲は良いと言っていた女学生の話をよくよく聞くと、実は母親から毎日夕方に今日は何をしていたかの確認連絡があるような強い干渉を受けていたので、叱責されると思って話せなかった、という内容でした。

ここでの過保護と過干渉の違いは、以下の通りです。
・過保護=子どもが求めることをやり過ぎること
電車好きな子どもに対して、行きたがる電車博物館に一緒に行ってあげたり、欲しがっている電車図鑑を買ってあげたりする。
・過干渉=子どもが求めないことまでやり過ぎること
電車好きな子どもに対して、望んでいない電車博物館に一緒に行ったり、欲しがっていない電車図鑑を買ってあげたりする。
過保護と過干渉の違いは、本人が望むこと中心か、そうではないかです。
例に出した同じ電車好きの子どもに、同じことをしていても本人の気持ち次第では、過保護にもなり過干渉にもなってしまいます。
状況によって変わる人の望みを理解するのは、対話をするか、対話できない相手に対してはやってあげる側が気持ちを読むしかありません。

子どもの望むことだけをし続けると、子どもはワガママ勝手になるんじゃないか?大人の意見は言ってはダメなのか? こんな意見が出そうです。
答えとしては、一方的なのがダメなだけで、互いの意見が尊重されながら取り交わされるなら、大人の意見を言っても問題ないと思います。
これは親子間だけではなく、友達同士、職場、団体、どんな場でもよくあります。
思いや望みが、いくら相手のためだと思っても一方的になっていませんか?
どちらか一方の意見になっていませんか?
皆さんも、過保護と過干渉の違いを一度考えてみてください。