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園長通信(令和6年2月号)

園長つうしん

園長つぶやき~園関係者が「みんなのなかで、やりたいことをする人」に~

やっと冬らしい寒さがやってきましたが、相変わらず子どもたちは活発に日々を過ごしています。

 

先日の職員会議で出た、年長さん達の子どもの姿をお伝えします。

互いに意見を言い合える友達同士達だけど、周りの主張が強いと自分の主張を引っ込める子どもに対し、どう保育者として関わるべきかを議論しました。

様々な関わりの考え方が出ましたが、私は「みんなが幸せになるための合意形成の方法を、大人が伝えることも必要かも」という話をしました。

力の強いものの意見や、多数決で決まる合意ではなく、関わるみんなが幸せになれるような合意の方法を伝えるという意味です。

 

今の世の中、合意を難しく感じる人たちが多い気がします。

合意とは、みんなが同じ思いになるという「同意」ではなく、自分の意見と違っていても納得して一つ物事を決定していく過程です。

昔の日本の村社会では、何が決めなければならないことがあると、村の寄合(集会)で何日も時間をかけて意見を出しあい、じわじわと合意形成をしてゆく文化があったそうです。最近の教育で、自分の意見を出す機会は増えましたが、出た意見をどう取りまとめて決定するかという行為は、まだまだ経験が少なく、知らない(苦手な)人が多い気がします。

 

先の年長さん達の事例でいうと、「君たちは、ずっと一人が嫌な思いをしている関係ではなく、皆が幸せを分け合えるような関係でいたいんだよね?」という、合意の上で得られる夢(ゴールイメージ)を共有したうえで、よりみんなが納得できる方法を考え出せたら理想です。

 

今までの日本社会は上意下達の体制が長く続き、一人の利権者の決定や、正解と言われていることを、いかに効率よくできるかのスキルばかりが求められました。

 

これからの社会は様々な考えを出し合いながら、自分たちで正しいと思うことを自分たちで決定して実行する事が求められる世の中です。

自分をいかに発揮して伝えられるかではなく、どのように意見をまとめ、合意形成をするかを学び・経験していくことが、今後の教育課題ではないでしょうか。

かといって世の中の教育制度は、すぐに変わりません。

合意教育の第一歩は、家庭で子どもと話し合って合意する経験かもしれませんね。