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園長通信(令和6年4月号)

園長つうしん

園長つぶやき~園関係者が「みんなのなかで、やりたいことをする人」に~
ご入園ご進級おめでとうございます。
今年度は、昨年度まであった新型コロナウイルス感染予防という言葉を過去のものにして、本当に日常を謳歌することを推奨された年度になりました。

当り前の日常がどれほど幸せで大切にしなければならないことか、1月1日の能登半島地震ですべての日本人が改めて思い知らされました。
今はタイパ・コスパを善として追及される世の中で、イエール大学の成田悠輔氏が「タイパ・コスパを達成するには究極的には死ぬことでしか成しえない」と述べるほど、日常がくること自体の幸せを実感することが難しい状況となっています。

今のような状況を顧みる手立てとして、10年前に前野隆司氏が書かれた『幸せのメカニズム(講談社現代新書)』にあるような気がしますので、ご紹介します。
膨大なデータ数値を検証した結果、幸せには4つの因子があると判明しました。
・自己実現と成長の「やってみよう!」因子
・つながりと感謝の「ありがとう!」因子
・前向きと楽観の「なんとかなる!」因子
・独立とマイペースの「あなたらしく!」因子

これらの結果をよくよく見てみると、当園の次代を担う人材像「みんなのなかで、やりたいことをする人」のエッセンスと、よく似ていることが分かりました。

受動的ではなく、明るく前向きに、様々な人たちとつながりあいながら、でも個々の尊重は忘れずに。
結局人は、科学の進歩で得られた便利さや、物質的な豊かさだけでは幸せになれないという、様々な偉人や哲学者・宗教者がよく言われているような「ものではない幸せ」が結局正解だったのです。

このタイパ・コスパを求めないあたりまえの日常を、とても幸せに感じている人は、実は目の前にいる子ども達かもしれません。
毎日園で自分なりに工夫して遊ぼうとする、先生や仲の良い友達から「ありがとう」と言われると笑みをこぼして喜んでいる、失敗してもなんどもしようとする、「ジブンデ」とできるかどうか分からないが自分なりにやってみようとする。
こんな良くある日常を、我々大人の方が忘れてしまっているかもしれません。
さあ新年度です。我々も「幸せ」を子どもたちと一緒に求めませんか?