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園長つうしん(令和3年9月号)

園長つうしん

自由民主党総裁選挙で様々な政策論争がなされる中で、「こども庁」に関すること
も取り上げられていました。
子どもの施策に視点が向くことに関しては良いのですが、何だか政策PR にされ
ている感もあるので、内容についての話も踏み込んでもらえたらなぁと願います。

さて突然ですが皆さんに質問です。
子どもに一つだけ能力をつけることが出来るなら、皆さんはどんな能力をつけさ
せたいと思いますか?
記憶力? 運動能力? コミュニケーション能力? 応用力? IT技能?
社会の動きが激しい現代社会では、大人でも様々な能力を学ぶことが求められて
います。
私自身この質問に対しては、「好奇心と探求心に基づき調べられる能力」です。
「好奇心と探求心に基づき調べられる能力」とは、自分の興味あるコト・気にな
ったコト・分からないコト・疑問に思うことに対して、人に聞く、本を読む、ネ
ットで調べる行為をする力です。
この「好奇心と探求心に基づき調べられる能力」がある人は、主体的に考え、行
動できる力も持っているので、どんな社会でも適応できる人材となります。
サッカー選手の本田圭佑選手は、サッカー以外の好奇心と探求心も旺盛で、オフ
の時にプログラミングを学んでいたそうです。
ひと昔前は、好奇心と探求心があっても、分からないことを調べる方法として、
辞書を引いたり、人づてに誰が詳しいかを聞いたりと、調べる前に調べることが
とても多くありました。

でも今は情報社会、スマートフォンですぐに調べたいことにありつけます。
なのに、欲しい情報がすぐ側にあっても、ちょっと疑問に思ったことを自ら調べ
る人はとても少ないのです。
正しい情報を自ら調べず、自分の憶測・解釈で済ます、またはもう調べないこと
がとても多く見受けられます。
それは、実は「調べる」行為がとても面倒くさく、時間も使い、労力を伴うから
です。

でもそれが苦にならない人がいます。
そう、園にいる子ども達です。
好奇心と探求心も旺盛で、知らないことがあると何回も「何で-、見せてー、触
らせてー」と情報にアクセスしようと、「自ら調べる」行動をすることに貪欲です。
この子どもの頃にみんな備わっていた力は、大人になると弱くなってしまいます。

だから当園は、やりたいと思う子を尊重し、その力を成長させようとしています。
当園が「好奇心と探求心に基づき調べられる能力」を大切にしているのは、一時
的な能力向上より、自ら能力を自らで向上させる能力を育てたいからなんです。
皆さんもご家庭で、子どもの好奇心と探求心に一度お付き合いしてみてはどうで
しょうか?
子どもの「好奇心と探求心に基づき調べられる能力」だけでなく、皆さん自身の
子どもに対する好奇心と探求心が芽生えるかもしれませんよ。