園からのおたより

~庄内こどもの杜幼稚園の見えない秘密(園庭の水道)~

 今回の見えない秘密は、「園庭の水道」についてです。

当園の大砂場(砂の王国)の傍にある水場ですが、水道が二つあります。

一つは水道水が出るものと、もう一つは溜まった雨水が出る水道です。この雨水は、園の屋根に降った雨水をタンクに貯めています。

大砂場(砂の王国)にあるガシャポンプの水も、この同じ雨水を利用しています。(雨水がないとき、水道水を足して使えるようにはなっています)

 

 さて、なぜ雨水を使っているかというと、水の節約というエコロジーの目的もありますが、もう一つは当たり前のように自由に使える水というものにも限りがあることを知って欲しいからです。

 現在の水道の水は、無限にあるように錯覚してしまうように思えます。しかし本来水は無限ではありません。

 海外では飲料水はとても貴重ですが、日本は飲料水が無料で手に入る世界でも稀有な国です。この多感な子どもの時期に、水道栓を回しても水が出てこない経験をすることは、有限を理解していくには必要な経験ものではないでしょうか

 

 保護者の方々でも、子どもが望めば多くのおもちゃを買ってあげている状況があるかもしれません。しかし満たされることは、本当に幸せなのでしょうか?

 限りあるものだから、どうするか自分で考え工夫する。

 限りあるものだから、みんなで分け与える。

 

 現在ヒト科の系譜であるホモサピエンスが、大柄な力の強いクロマニョン人やネアンデルタール人ではなく生き残ったのは、みんなで分け与える能力があったからと一節でいわれています。

 

 本当に水の有難さが分かる状況は、当たり前のものがなくなってしまう災害の時ではなく、こんな遊びの中の日常で感じてもらうのが良いのではないでしょうか。

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