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園長通信(令和5年11月号)

園長つうしん

園長つぶやき~園関係者が「みんなのなかで、やりたいことをする人」に~

秋らしい季節の中、当園らしい秋祭お神輿巡行も楽しく終えることができました。

秋の深まりと合わすように、子どもたちの関係性も深まりを見せています。

 

社会では多様性(ダイバーシティー)の重要性が、経済界だけでなく学校現場でもうたわれるようになってきました。

多様性とは、集団において年齢、性別、人種、宗教、趣味嗜好などさまざまな属性の人が集まった状態のことを指し、その様々な価値観を大切にした組織運営がこれからの社会を支えるとされています。

 

特に日本人は「みんなと同じ」をよしとする、極端かもしれませんが画一性に順応していた国民性ですので、この多様性の扱い方・考え方が上手く理解されず、トラブルとなる場面が多々あります。

 ・自分の価値観を阻害されることは多様性を認めていない。

 ・相手の価値観に口出しすることは多様性を認めていない。

多様性が単なるやりたい放題やワガママではなく、本当の意味での多様性として機能するには、2つの基準があります。

「他人に不利益・不快感を与えない」

これは分かりやすい基準で、自分の価値観を他人に迷惑をかけてまで押し通すことは、当然ですが単なるワガママであり多様性ではありません。

「所属する集団のルールに反しない」

郷に入っては郷に従えという言葉通りその場のルールを守りましょう、です。

 

ただこの見えない「所属する集団のルール」が、難しさを生み出します。

ルールがメンバーへ適切に伝えられているか、ルールが集団の目標にふさわしいか、というルール内容に関する観点だけでなく、ルールが曖昧になっている(またはそもそも無い)こと自体が、トラブルの原因となってることもよくあります。

 

今回何故こんな堅苦しいテーマを設定したかといいますと、小中学生の不登校数や高校生以下の若者自死数が過去最多、という社会集団の適応に困難を抱えている人たちが多くいる現状を危惧してです。

多様性の社会に応じた人間関係をどのように構築するのか、これは子どもだけでなく我々大人も向き合う課題となっていました。

当園の目指す姿である「みんなのなかで、やりたいことをする」ため、関わる人たちみんなが見識を深めることが求められているような気がします。