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園長通信(令和7年1月号)

園長つうしん

 園長つぶやき~園関係者が「みんなのなかで、やりたいことをする人」に~

新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

皆さま、年末年始はいかがお過ごしでしょうか?

今年は巳年で、「復活」や「再生」を象徴する年と言われています。

元旦を気持ちを切り替える区切りの日として、寺社仏閣でお参り・お祈りされ、今年一年新たな気持ちになられた方もおられると思います。

神社神道では新年を「年の新魂(あらたま)」といって、魂が新たに復活するという蘇りの考えがあり、古来から気持ちを切り替える精神は無意識に息づいているのでしょう。

 

さて昨今、郵送費の高騰や年末年始の忙しさ、手紙文化の希薄化の背景により、年始恒例の年賀状送付を取りやめる「年賀状じまい」を宣言する方が増えているそうです。

当園では、年賀状を日本の伝統的な習慣として保育の一環として行っていますが、こうした流れを受け、今後は変化を余儀なくされるかもしれないと少し寂しく思っています。

 

年賀状じまいという言葉が広まる傍ら、「家族じまい」という言葉も出てきています。

「家族じまい」という言葉は、ベストセラー小説「家族じまい(著:桜木紫乃・2020)」のタイトルから来た造語で、この意味は家族と絶縁して交流を終了させることです。

絶縁という家族の縁を切る言葉は以前からありますが、今は「家族じまいをお任せください」と宣伝する、親の介護やみとり、葬儀までを依頼されて代行する業者が出ています。

昔の日本では、絶縁を表す「村八分」という言葉もありましたが、仲たがいしても「火事」と「葬儀」の時は協力し合う社会的つながりがありました。

しかし「家族じまい」は、葬儀も行わないという、絶縁よりも強い意味がありそうです。

この「家族じまい」に至る要因は、恐らくその「家族じまい」をしたいと訴える本人が、子どもの頃から長期間の暴力や依存症などの状況が継続されていたからだと推察します。

いくら親しい家族だとしても互いに人格や人権を持った一人の人間です。

家族だからこそ、いつも行っている態度や言葉かけを振り返る必要はあります。

 

当園は年3回、自分達やチームの在り方を振り返る機会を設けています。

(年度末に保育協力頂いている研修日にも行っています)

その場で、個人やチームで立てた目標を踏まえて、続けたいこと、難しかったことを思い返し、次から取り組みたい・やってみたいことを出し合います。

それらの振り返りに加えて、他者視点の自分を知ったり、自己肯定感や自己有用感が高まるような、他人から「あなたのここはよかったよ・感謝しています」という、他者フィードバックも伝えあいます。

 

家族間でも、互いの良さや感謝を語り合うことが、将来「家族じまわれない」関係性が生まれると思っています。

家族みんなが集まるお正月期間、互いの良さを語り合うのはいかがでしょうか?